こんにちは!クラフトカレーブラザーズ代表の角田憲吾です。
「グルテンフリーと健康」シリーズ、第2回をお届けします。
腸は“栄養を吸収するだけ”の器官ではない
近年、「腸活」という言葉が一般的になってきました。
それは、腸が単なる消化・吸収の器官ではなく、健康全体に深く関わる重要な臓器だと分かってきたからです。
腸は、体内に入ってくるものを選別する“門番”のような存在。
必要な栄養素は取り込み、不要なものは体内に入れない——
その役割を担っているのが、腸の「バリア機能」です。
腸内環境とバリア機能
腸の内側は、非常に薄い粘膜と細胞の層で覆われています。
この細胞同士がしっかり結合することで、
有害物質や未消化物の侵入を防いでいます。
この結合がゆるみ、
本来通さなくていいものまで血中に漏れ出てしまう状態を、
一般的に「腸漏れ(リーキーガット)」と呼びます。
医学的にはまだ研究途中の分野ですが、
慢性的な炎症や不調との関連が指摘されています。
グルテンと腸の関係が注目される理由
では、なぜグルテンが腸と結びつけて語られるのでしょうか。
その理由のひとつが、
グルテンに含まれる「グリアジン」というたんぱく質です。
一部の研究では、
グリアジンが腸のバリア機能に影響を与え、
腸の透過性を一時的に高める可能性が示唆されています。
ただし、これはすべての人に当てはまる話ではありません。
健康な腸を持つ人では、特に問題が起きないケースも多くあります。
「体質による差」が大きいという現実
ここで重要なのは、反応には個人差があるということです。
同じ食事をしても、
・お腹が張る人
・特に変化を感じない人
・逆に調子が良い人
さまざまな反応が起こります。
腸内細菌の構成、生活習慣、ストレス、過去の食経験。
それらが複雑に絡み合い、
「グルテンが合うか・合わないか」が決まっていきます。
だからこそ、一律の正解は存在しません。
グルテンフリーが“腸を休ませる”と感じる人もいる
グルテンを控えたことで、
・お腹の重さが減った
・ガスや張りが気にならなくなった
・体が軽く感じるようになった
こうした変化を感じる人が一定数いるのも事実です。
それは、腸への刺激が減り、
結果的に腸が「休めている」状態になるからかもしれません。
ただし、これは医療的な断言ではなく、
あくまで体感としての話です。
クラフトカレーブラザーズの考え方
クラフトカレーブラザーズは、
「グルテンを避けるべき」と主張したいわけではありません。
ただ、
「体質的に合わない人がいる」
「控えたいと感じている人がいる」
その現実には、きちんと寄り添いたい。
腸にやさしい選択をしたい日でも、
我慢せずにカレーを楽しめる。
その選択肢を用意することが、僕たちの役割だと考えています。
次回予告
次回は、
「グルテンと炎症・肌・免疫」
について、もう一歩踏み込んでお話しします。
参考情報:
・厚生労働省:腸内環境と健康に関する基礎情報
・日本消化器病学会:腸管バリア機能に関する解説資料
・国際栄養学ジャーナル:グルテンと腸透過性に関する研究レビュー