CCBの製造のこだわりについて3

CCB製造のこだわり | クラフトカレーブラザーズ

こんにちは!CCB代表の角田憲吾です。
今回はクラフトカレーブラザーズの味づくりに欠かせない考え方、「フードペアリング」についてお話しします。

フードペアリングとは何か

フードペアリングとは、単に相性が良い食材を組み合わせるということではありません。
香り・旨味・脂・塩味・余韻といった要素が、互いを引き立て合う関係を設計すること。
クラフトカレーブラザーズでは、この考え方をカレーづくりの根幹に据えています。

玉ねぎと牛肉が生む、旨味の相乗効果

代表的な例が、玉ねぎと牛肉の組み合わせです。
じっくり火入れした玉ねぎにはグルタミン酸、牛肉にはイノシン酸。
この二つが合わさることで、旨味は足し算ではなく掛け算になります。

特に「あめ色の先の玉ねぎ」は、甘味・苦味・コクが極限まで引き出されているため、
牛脂や牛由来の旨味と重なったとき、カレー全体に厚みと奥行きをもたらします。

これは経験則だけでなく、和食やフレンチでも古くから知られてきた、
理にかなったフードペアリングです。

産地をそろえるという考え方

もうひとつ、私たちが大切にしているのが産地の文脈をそろえるという考え方です。

クラフトカレーブラザーズでは、
フランス産のワインと、同じくフランス・ロレーヌ地方のロレーヌ岩塩を使用しています。

同じ風土で育まれた食材同士は、
ミネラル感や香りの方向性が自然と近く、味のなじみが非常に良い。
これはフランス料理の世界では、ごく当たり前に行われてきた発想です。

ワイン×塩×カレーという設計

フランス産ワインの持つ酸味や渋みは、
ロレーヌ岩塩のまろやかな塩味と組み合わさることで、味に立体感を与えます。

そこに、野菜と果物の自然な甘味、牛脂のコク、スパイスの香りが重なることで、
一体感のある味わいが完成します。

単体で強い素材を集めるのではなく、
互いを引き立てる関係性をつくる
これがクラフトカレーブラザーズのフードペアリングです。

偶然ではなく、設計された美味しさ

「なぜこの組み合わせなのか?」
その問いに、私たちは必ず理由を持っています。

玉ねぎと牛肉。
ワインと塩。
野菜の甘味とスパイスの香り。

すべては偶然ではなく、味の設計図に基づいた必然です。

クラフトとしてのフードペアリング

クラフトカレーブラザーズにとってフードペアリングとは、
流行や理論だけをなぞるものではありません。

実際に作り、食べ、違和感がなくなるまで微調整を繰り返す。
その積み重ねこそが、私たちのクラフトです。


参考情報:
・食品科学における旨味相乗効果(グルタミン酸×イノシン酸)
・フランス料理の基礎理論:テロワールと食材ペアリング
・クラフトカレーブラザーズ 味設計ノート(1966〜2025)