【オートファジーシリーズ第1回】オートファジーとは?細胞の大掃除システムを知ろう

オートファジーについて | クラフトカレーブラザーズ

オートファジーについて

こんにちは!CCB代表の角田憲吾です。定期便のお客様向けに私が勉強している食事と健康について発信していきたいと思います。
これは健康だ!と決めつけるものではなく、食材にはこういう側面があるということを可能な限り様々な角度、情報源から有益な情報を共有させていただきます。

はじめに - カレー好きの皆さんへ

クラフトカレーブラザーズをご愛顧いただいている皆様、こんにちは!今日から5回にわたって、最近話題の「オートファジー」について詳しくお話ししていきます。
実は、美味しいカレーを楽しみながら健康になる秘訣が、このオートファジーにあるかもしれません。

オートファジーって何?

オートファジーとは、ギリシャ語の「Auto(自ら)」と「Phagy(食べる)」を組み合わせた言葉で、文字通り「細胞が自分自身を食べる」現象のことです。

細胞内のリサイクルシステム

私たちの体は約60兆個の細胞でできていますが、これらの細胞は常に古くなったり壊れたりした部品を抱えています。
オートファジーは、細胞内の"不用品"を回収して、アミノ酸などに分解し、また新たなタンパク質などに"リサイクル"する現象です。
具体的には、細胞内部の不用品を膜で包み、消化酵素を含んだ「リソソーム」と融合させて分解するシステムです。

ノーベル賞受賞で注目される研究分野

2016年、東京工業大学の大隅良典教授がオートファジーの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
この受賞により、オートファジーは一般の人々にも広く知られるようになりました。

オートファジーの3つの重要な機能

最新の研究によると、オートファジーには主に3つの機能があります。

  1. 飢餓時の栄養確保機能: 食べ物が不足した時、細胞が自身を分解して栄養を確保する働きです。これにより、短期間の断食でも体が維持できます。
  2. 細胞の新陳代謝機能: 細胞成分の代謝回転により、細胞を常に新品状態に保ちます。
  3. 有害物質の除去機能: 細胞内に蓄積される老廃物や傷ついたミトコンドリアを除去します。

健康との深い関係

2024年の最新研究では、オートファジーが様々な健康効果をもたらすことが判明しています。

老化防止効果:
奈良県立医科大学の中村修平センター長によると、「オートファジーの活性度を上げれば肌のトラブルを解決できる可能性があり、全身レベルで抗老化が実現できる可能性を秘めています」。

疾患予防効果:
動物実験では、オートファジーの活性が落ちると循環器疾患、糖尿病、動脈硬化、神経性疾患などが発症・進展することが確認されています。

現代生活とオートファジー:
残念ながら、オートファジーの活性は年齢とともに低下します。
しかし、最新研究では「食事や運動など健康のために重要とされている生活習慣が、オートファジーの活性化を介して長寿や健康増進をもたらす」と日本血栓止血学会誌で報告されています。

次回予告

第2回では、「16時間断食とオートファジーの関係」について、最新の科学的根拠とともに詳しく解説します。
カレーを楽しみながら健康的な食生活を送る方法をお伝えします。


参考文献:
・老化防止・長寿の条件、「オートファジー」の活性化 キーマンに聞く:日経クロストレンド
・哺乳類のオートファジー~疾患や老化との関わりを中心に~:日本血栓止血学会誌


次回:「16時間断食とオートファジー - 科学的根拠に基づいた食事法」をお楽しみに!