CCBの原材料について1

CCB原材料について | クラフトカレーブラザーズ

こんにちは!CCB代表の角田憲吾です。
クラフトカレーブラザーズのこだわりの原材料やその原材料を選んだ理由について書いていきたいと思います。

玉ねぎの話

今回はクラフトカレーブラザーズの中でも一番のキーマンの「あめ色の先の玉ねぎ」についてお話しします。

玉ねぎを炒める苦労

カレーを作る時、炒め玉ねぎを入れると美味しくなるのは日本人ならみんな知っていますね。

しかし、家で何時間も炒めるのは骨が折れます。実際に試してみたけど一回で充分です。なんて声をお客様からよく聞きます。

ならば!私たちがその手間を肩代わりしましょう。というところからクラフトカレーブラザーズのカレールーの玉ねぎ物語が生まれます。

玉ねぎの炒め時間

私たちは100kgの玉ねぎを10kgになるまで6時間かけて炒めています。

その玉ねぎはあめ色玉ねぎを超えて、ほとんどの水分は残らず旨味だけが凝縮された「あめ色の先の玉ねぎ」になります。 それはコーヒーの焙煎時のような苦味のある香りや玉ねぎの本来持つ甘み、そして旨味を持ち合わせています。
これがクラフトカレーブラザーズの自然な甘みやコク、ほんのり香る苦味につながっています。
この手間と時間をかけることが「クラフト」であり、食品添加物に頼らずに美味しくできる秘訣なのです

フレンチの技法に倣っていた!?

玉ねぎを炒める工程は、フレンチでいうキャラメリゼやデグラッセに近いことがわかりました。

キャラメリゼ

目的: 砂糖や食材の表面を加熱し、香ばしい香りとパリパリとした食感を生み出す技法です。

状態: 砂糖を焦がしすぎず、甘く香ばしい風味が出た「焦がす手前」で火からおろします。バーナーで炙って表面をパリパリにする場合も同様です。

デグラッセ(Déglacer)

目的: 肉をローストした後に鍋にこびりついた旨味(スュック)を水やワインで煮溶かし、ソースに活かす技法です。

状態: 焦げ付く前の旨味成分(スュック)を液体として取り出すため、焦がしすぎずに「焦がす手前」でストップさせることが重要です。

玉ねぎの機能

玉ねぎは「生」「軽く炒め」「じっくり炒め」「加熱調理済み」の段階で成分の性質が大きく変わります。

① 生の玉ねぎ

• アリシンが最も活性:切ってから数分置くと酵素反応(アリナーゼ)で生成。

• 刺激的で辛みが強いが、血流促進・抗菌・免疫調整に強く働く。

• 注意:刺激が強すぎて胃腸が弱い人には負担になる場合も。

② 軽く炒め/軽く加熱(透明になる程度)

• アリシンが一部分解されてマイルドな硫化アリル類に。

• 血液サラサラ効果はやや減るが、胃腸への刺激が減り吸収しやすく。

• ケルセチンも比較的残存。

③ 長時間炒め(あめ色玉ねぎ)

• 糖とアミノ酸が反応するメイラード反応により褐色化し、香ばしい旨味と抗酸化物質(メラノイジン)が生成。

• ケルセチンは加熱でも安定し、抗酸化力はむしろ高まるとする研究も。

• 一方でフルクタンなどの水溶性食物繊維は分解・減少。

④ 煮込み(スープ・カレーなど)

• 水溶性のケルセチンやフルクタンが煮汁に溶け出す。

• 煮汁ごと摂る料理(カレー・スープ)なら栄養ロスが少ない。

• 生に比べてアリシンは失われるが、消化吸収性が最も良い。

クラフトカレーブラザーズは③の長時間炒めるに値しそうですね。

次回予告

次回では、「塩」についてのこだわりをお話しします。


参考文献:
・日本食品標準成分表(文部科学省, 2020):玉ねぎの主要成分・栄養素含有量データ
・農研機構(NARO)食品機能性データベース:タマネギ:ケルセチンや硫化アリルの機能性、加熱による変化に関する報告。