こんにちは!CCB代表の角田憲吾です。
今回は、クラフトカレーブラザーズの味の深みを支える「牛脂」についてお話しします。
なぜ牛脂を選んだのか?
私たちは、カレールーに使う油脂として一般的な植物油脂ではなく、牛脂を選んでいます。
その理由は、ひとことで言えば「味」と「強さ」、そして「健康」です。
まず味。
牛脂はコクと旨味の密度が圧倒的に高く、カレーの深みと香りを支える重要な役割を果たします。
スパイスの香りを引き立てながらも、素材の甘味を包み込むような“まろやかさ”を生み出してくれるのです。
熱に強い脂という選択
カレーづくりでは加熱の作業が欠かせません。
その際、植物油脂は酸化しやすく、香りや風味を損ねる原因になります。
一方、牛脂は融点が高く、熱に強いという特徴があります。
長時間の加熱でも酸化しにくく、安定した風味を保てるため、クラフトカレーブラザーズのような「長時間炒める製法」と非常に相性が良いのです。
適量なら体に良い脂
「動物性脂=悪」というイメージがまだありますが、それは誤解でもあります。
牛脂にはステアリン酸という脂肪酸が多く含まれており、これは体内でコレステロールを増やしにくいとされる成分です。
また、脂質はホルモン生成や細胞膜の形成にも欠かせない栄養素。
要は“量と質のバランス”なのです。
私たちは、風味と健康のバランスを考え、必要最小限の量だけを使っています。
その結果、胃にもたれず、香り高く、満足感のあるカレーに仕上がりました。
「クラフト」精神で選んだ脂
牛脂を使うという選択は、手間やコストの面で決して楽ではありません。
しかし、“美味しさを優先する”という私たちのクラフト精神に照らすと、この選択は自然なものでした。
化学的な旨味や添加油に頼らず、自然の素材だけで「本当に美味しい」を目指す。
そのために、熱にも味にも強い牛脂を選んだのです。
次回予告
次回は、「スパイス」についてのこだわりをお話しします。
参考文献:
・日本食品標準成分表(文部科学省, 2020):牛脂・植物油脂の脂肪酸組成データ
・農研機構(NARO)食品機能性データベース:ステアリン酸および脂質の健康影響に関する研究
・クラフトカレーブラザーズ社内開発資料(2020〜2024):油脂加熱安定性試験より。